引越し屋でのアルバイト
私が今までしたアルバイトは家庭教師と某大手運送会社でした仕分けと引越しのアルバイトのみである。普通の人に比べればアルバイトの経験は非常に少ないと思われるだろうが私は一点集中タイプなので大学在学中この某大手運送会社で四年以上勤めさせていただいた。気が付けば大学は卒業していたがこのアルバイトからの卒業は遅れていたのだった。
因みに家庭教師のバイトは三日で辞めた。それはさておき、何といっても運送会社で忙しい時期と言えば、お中元のシーズン、年末、そして特に忙しいのは引越しが多い三月から四月にかけての時期である。この時期は本当にしんどいので休みを入れたくてしょうがない衝動にかられるのであるが、会社の方からはどうしても出てくれなければ困るともいわれるし、私的には彼女をゲットするために無理して親に内緒で買った車のローンを返すために頑張らなければならなかった。私の記憶が確かならば朝の五時ぐらいには会社に行って夜は十一時過ぎぐらいまで何かやっていたような気がする。朝から夕方まで引越の作業をして、夜は荷物の仕分け作業という感じで、こんな生活を一ヶ月以上休みなくやっていると一週間目辺りから視界が揺ら揺らとしてきて今まで見たこともない光が目の前でパチパチしてなんだか妙にハイテンションになって気持ちよくなってくるのである。そしてその度合いも日が経つにつれてだんだんとひどくなっていくと奇声を上げたり荷物を殴って穴を開けてしまったりと面白い事になっていたのをうっすらと覚えている。私は今まで疲れというものを感じたことはなかったのであるが、疲れとはこういうものなのではないかと今思うのである。そうしてだんだん疲れがたまっていくと家に帰るのも億劫になり車の中で寝泊りしていた。そんなこんなでクソ重たいピアノを運んだり、使えない社員さんと巨大な洋服ダンスを階段で五階まで上げたりと素敵な思い出が絶えない引越しのアルバイトだったなーと感慨にふけるのである。無理して買った車のおかげで彼女はできたのであるが半年で別れたのであった。これもまた今となっては素敵な思い出である。